読書感想として.09.01

読書感想として。
図書館で借りてきた

「草を結びて環(たま)を銜(くわ)えん」
ケン・リュウ著 古沢嘉通・他訳
早川書房

を読み終わりました。
SFと分類されていますが、SFだけではなく歴史小説に分類されそうな小説が多かったと思います。

「烏蘇里羆(ウスリーひぐま)」
雪の中での熊との戦いですが、「ゴールデンカムイ」を読んでいるから、どんな情景なのかを想像できます。なんとなく道具とかがスチームパンクっぽい?

「草を結びて環を銜えん」
帝国が異民族によって滅ぼされるとき、その美貌と知性によって生き抜こうとした遊女と付き人の少女の物語。
徳が何の役に立つ? と言い切りつつ、それでもなるべくたくさんの人の命を救おうとした緑鶸(みどりのまひわ)なーのーに! と思いつつ読み終えました。

「訴訟師と猿の王」
「草を結びて環を銜えん」の後の時代の話。
「あった出来事」を消し去ろうとする皇帝側と、それを守ろうとした、ごく普通の人たちの物語。

「揚州の人たちは百年前に殺された、田 皓里(ティエン・ハオリ)、それはどうしたって変えられない。だけど過去は記憶の形で生き続けるし、権力を握った連中はいつだって、過去を消して黙らせたい、幽霊を埋葬したいと思うようになる。おまえはもう過去について学んだんだから、何も知らない傍観者ではいられない。おまえが行動しなければ、皇帝と血滴子によるこの新たな暴力、この抹消行為に加担することになる。王 秀楚(ワン・シュウチュウ)と同じように、おまえも今や目撃者なんだ。あいつと同じように、どうするか選ばなくちゃいけない。死ぬときに自分の選択を後悔するかどうか、今判断しなくちゃいけない」

これ、主人公だけに見える猿の王(斉天大聖、とあったから孫悟空?)が語る言葉なんだけど、ずいぶん重みがあるなぁ。さすが妖怪(…違う?)

「万味調和ー軍神関羽のアメリカでの物語」
中国人にとって「軍神関羽」がどう思われているのか、アメリカ開拓時代の中国系移民がどう生きて、そのコミュニティがどう消失していったのかを描いた物語。

SF、と分類されているけど、歴史幻想小説を読み終えた気がします。

他にも書きたい事があるので、また後日。

カテゴリー: 読書感想 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください