身内向けの生存証明として。
先日購入した
「生命の未来を変えた男 山中伸弥・iPS細胞革命」
を読み終えました。
生物や科学分野の専門教育を受けた方なら物足りないかもしれませんが、専門知識の無い一般人からすると読みやすかったし面白かったです。
(アホ白石がこの本を完璧に理解した、とは言えないと思いますが、それでも最後のページまで読み通す事は出来ました)
再生能力とがん化の関係、また皮膚等から簡単に採取出来る細胞からiPS細胞が作られ、病気の解明や薬の開発などの利益があった場合、その利益は誰の物になるべきなのか?
その問題は科学者だけで考えるのではなく、一般の人にも一緒に考えて欲しい。
「遺伝情報をどう扱うべきか?」
なんて、年寄りにはSF物語の中だけの問題だと思っていたのに、現実の世界が想像していた世界に追いついているんですね。
あとぶっ飛んだのは、中国の研究現場事情。
ヒトの受精卵を壊して作るES細胞は倫理的に許されるのか? という問題を、各国なりに考えて規制をしているのに
「さらに最も特筆すべきなのは、欧米では再三批判の対象となる『人間の受精卵や初期胚』の研究利用が、ほとんど問題視されないことだ。高氏をはじめ研究者の多くは、
『私たち中国人の倫理観では、ヒト初期胚は人間とはみなさない。だからこそ人間の胚を使った研究が自由にできる。これは世界の他の国々に比べ、明らかなアドバンテージだ』と、はっきりと語っていた」
(P172より)
…他人の倫理観についてとやかく言う資格はないとは思うんだけど、それでも納得しきれないものが…。
他にも知的財産(知財)分野に関する問題も提起されていますので、興味のある方はどうぞ。
他にも書きたい事があるので、また後日。