「コレガ人間ナノデス」
(↑本日のタイトル。原民喜の「原爆小景」を初めて読んだのは中学生の教科書だったか。
興味のある方は青空文庫のこちらへどうぞ)
被曝してしまったホアとミンは、アメリカ本土ほどではないにしろアメリカ軍による最新治療を受ける事になります。でも藪さんに
「過去に起きた臨界事故の事例をみても
放射線障害への根本的な解決策は 無い」
と断言された通りに、ミンは治療の甲斐無く死亡。
ミンは被曝によって自分の身に何が起こったのか、何故自分が
「人の形を維持できない状態」
になるのかを理解できたかどうかわかりませんが、医学生だったホアはそれらを理解し、自分が同じ経過をたどるであろう事を知っているからこそ、
「それ(ミンの死)を隣で見ていたホアの恐怖は どれほどのものだっただろうか」
と藪さんに言われます。
放射線障害のホアを必死で治療するキリコですが、思えば原作でのキリコ初登場は初出では「死に神の化身」で、患者の症例は放射線障害。
(後に「恐怖菌」へと改題された時に細菌による感染に変更されています)
安楽死を請け負うようになったキリコは「死に神の化身」では患者を安楽死させようとしますが、同じ症例の患者を何とかして助けようとした事もあったのだと思うと、その間に彼に何があったのだろうといろいろと妄想してしまいます。
他にも書きたい事があるので、また後日。
春都市が近いけど、この分だと新刊は無理そうです…。