「黒男さん青春物語」感想。
「原爆投下」
という、日本人なら心穏やかではいられない前号ラストでしたが、今号では最悪の事態はなんとか避ける事ができた様子。
ヲタク視点での感想を言えば、瓦礫に埋まったキリコの腕を見つけた時に思わず叫んだ薮さんのキリコ評
「キザでええかっこしいの 人のカオが覚えられない
患者ぐるいの 腕だけは一流の医者」
も、そんな薮さんへのキリコの文句
「脈拍確認もせずに早まるなよ」
も、両方とも納得できてしまうというか…。
(しかし藪さんのキリコ評、黒男さんにも一部あてはまるんじゃありませんか?)
それにしてもあの切羽詰まった状況下であれだけスラスラと言葉がでるなんて、薮さんは元々おしゃべり気質か?
そして薮さんが医師だと知っているからこそ、
「脈拍確認もしないで、死亡診断下すんじゃねー!」
と言いたくなるキリコの気持ちもわかるというか。
キリコ達三人以外にも生き残ったベトナム人兵士ミンが、不発だった原爆から取り出したコアに素手で触っていますが、1969年時点で一般人における原爆や放射能に関する知識って、どれくらいだったんでしょうね?
医学生だったホアはその危険性を十分理解しているように今回描かれていますが、物理や生物に関して専門知識がなさそうなミンは特に恐れていない様子。
だからこそ多量の放射線を、その場から動けなかったホアとともに浴びてしまうのですが。
(ちょっとだけ遠くにいたキリコと藪さんには、とりあえず影響はなかったんだよな? キリコと薮さんは生き延びる事が確定しているわけだし)
これからホアとミンがどうなるのか? を考えると、以前読んだ
「朽ちていった命―被曝治療83日間の記録」
NHK「東海村臨界事故」取材班 (新潮文庫)
が頭をよぎりました。
(興味のある方は是非読んでください)
他にも書きたい事があるので、また後日