図書館から借りていた
「紙の動物園」
ケン・リュウ著
古沢嘉通 訳
早川書房
を読み終わりました。
本当は文庫本サイズを借りたかったのですが文庫本コーナーには無かったのですよ。
検索で探してみたら文芸コーナーに有り、という事で借りたのですが、サイズがちょっと違う…。
奥付に
「この本の型は、縦18.4センチ、横10.6センチのポケット・ブックです」
とあったので、これって日本ではなくアメリカの形式の本なのでしょうか?
(手持ちのブックカバーだと新書サイズでは入らず、四六版やA5だとだいぶ余りました)
それでも読むには支障はなかったので読み終えました。
以下、盛大にネタバレがあるので、興味のある方だけどうぞ。
この本は短編集なのですが、特に印象に残った物語だと
「紙の動物園」
…泣いた。
中国系アメリカ人青年が、中国からの移民であった母親を思い出す小説。
文化大革命で家族も親戚も失い、たった一人でアメリカに渡り、周囲には自分と同じ顔立ちの人も自分の母国語を話す人もいない生活の中でなかで産まれた息子。
息子には親戚の面影があり、片言の母国語を話してくれたとき、母親はどれだけ嬉しかっただろう、と思うと泣ける…。
「もののあはれ」
集団としての、あるいは個人としての日本人が描かれているんだけど、
「日本人みんながこんな行動をとれるわけではないよなー」
と思うと少々こっぱずかしい…。
「円弧(アーク)」
映画「円弧(アーク)」の原作小説。
映画は日本が舞台だったけど、原作だとアメリカが舞台。でも
「不老不死を手に入れた女性が、不老不死を手放す物語」
という大筋は変わってませんでした。
映画を見終わった後やこの短編を読んだあとにいろいろ考えさせられました。
「文字占い師」
漢字を基にいろいろな話が物語られるけど、漢字文化圏の人には理解できると思うけど、アルファベット文化圏の人にはわかるんでしょうか?
「群
”群衆”という文字は、片側に”高貴”を表す文字、反対側に”羊”を表す文字でできている。だから群衆の正体は、自分たちが尊い運動に携わっていると信じこんでいるがゆえに狼の群になった羊の一団なのだ」
最後に著者付記として、
「ここで書かれている民間語源学と文字の成り立ちは、当然ながら、学術的研究結果とはまったくなんの関係もない」
って書かれているけど、読んでいる最中はか〜な〜り信じたぞ。
それから中国人と日本人、台湾人とアメリカ人では読んだ感想が違うかもしれない。
「良い狩りを」
妖狐と妖怪退治師の物語。
うろおぼえだけど、この作品の変身シーン、短編アニメとして発表されていませんでしたっけ?
Twitterで見た覚えがあるような気がしたんですけど。
書き殴りですが、とりあえずこのへんで。
他にも書きたい事があるので、また後日。