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2012年09月15日

黒男さん青春物語感想.09.15

「So, so you think you can tell
Heaven from Hell,
Blue skies from pain.」

(↑今回のタイトル。タイトルについてはまた後で語ります)

ほんの子供のうちに自分の身体も自由に動かせなくなり、子供にとってはもっとも身近な存在である母親さえも

「まともな人間の姿さえしていなかった」(「不発弾」より)

のを目の当たりにした黒男さんだからこそ、「マトモ」かそうではないのか、またそれを他人が決める事に対して敏感にならざるを得ないのかもしれません。

「先天性無痛無汗症」
という痛みを感じない体質ゆえに、無謀とも思える無抵抗活動を続けようとするジョニーを、岡本先輩はなんとかして「マトモな」身体にしてあげたいと思いますが、その考えは黒男さんの考えとはすれ違います。

岡本先輩の善意は立派だと思いますし、医師を目指す人にはその情熱は必要かもしれませんが、もしあの場に戦場を見てきたキリコがいたならば、彼は何て言うのだろう…?
と、ふと一人の読者として無責任な事を考えてしまいました。

そういえば前回銃で撃たれたティアラさんを今回の冒頭で黒男さんが診察してましたが
(「俺が診たところ」って黒男さんが言ってたし)
ベトナムで戦地を見た黒男さんなら銃撃戦とか銃創を見た事があるかもしれませんが、日本生まれで日本育ちの岡本先輩が銃創を見る機会ってあったんでしょうか?
(アメリカに医学生として留学していたなら、銃弾摘出手術を見た事はあったかもしれないけれど)

終戦直後の混乱期ならともかく、昭和も43年頃だと拳銃や銃弾、銃創って、なかなか見る機会は無いよね?
一般の医学生だったら、知識として銃創や銃弾摘出手術を知っているかもしれないけど(たとえば猟銃等の暴発や誤射とか)、実際に見たり手術したりという機会はあまりないのかもしれません。
だから医学生の黒男さんがティアラさんを診察するのを、岡本先輩は止めなかったのかな? とその場を想像してみました。

オマケの雑記
タイトルの事。
ずっと昔、新井素子の
「あなたにここにいてほしい」
という小説を読んだ時、ピンク・フロイドの
「あなたがここにいてほしい」
に触れていました。

白石にとってその小説はとても面白かったので、その小説のイメージアルバム(CDではなくて、なんとレコード! 歳がバレるとかもう気にしない!)を購入しました。
アルバムのラストを飾ったのはピンク・フロイドの
「あなたがここにいてほしい」(「Wish You Were Here」)の原詩。

アホ白石はその原詩を眺めていただけなのですが、冒頭部分の

So, so you think you can tell
Heaven from Hell,
Blue skies from pain.

は覚えていたので、今回の感想文を書く際に
「そーいやあの詩で
『Blue skies from pain』
っていうフレーズがあったよなー。
今回のテーマは『痛み』かもしれないから、もしかしたら使えるかも?」

という軽い気持で興味を持ち、歌詞についてグーグルで調べてみたのですよ。

そしたらアホ白石が思っていた以上の意味があったので、冒頭の詩をそのままタイトルにしました。
興味のある方はグーグルなどで検索してみてください。

他にも書きたい事があるので、また後日。

投稿者 singer-cat : 2012年09月15日 23:55

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