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2008年05月14日
「ポーの一族」感想
たまたま通りかかった本屋にて「ポーの一族」文庫版を見つけたので購入しました。
以下感想ですので、興味のある方だけどうぞ。
萩尾望都さんの代表作であり、少女マンガを語る上でも、日本の吸血鬼モノを語る上でも外せない作品でありますが、不勉強な白石はこれまでずっと未読でした。
自分が吸血鬼っぽいモノが書きたいから参考にしたい、という不純な動機であろうとも、今回購入して初めて読みました。
…たくさんの人がこの作品を「名作」と力説するのも納得できました。
「人の血を吸って長い長い時間を生きる、人とは異なる者たち」
を中心に、愛した者を失った喪失感を抱えながら生きる吸血鬼(バンパネラ)や、彼らを追いながら、過ぎ去った時間に想いを馳せる人間達も哀しい存在だよな、と思わずにはいられませんでした。
最終回、同じ時間を生きてきたアランを失ったエドガーのセリフ
…帰ろう 帰ろう
遠い過去へ…
もう明日へは行かない
この文章、目で読みながら、エドガー共に呆然としてしまいました。
(連載当時にこれを若い人が読んだら、そら一生ものの読書感想になるよな。感性の鈍ったおばさんの白石が読んでも衝撃が大きかったんだから)
白石が読んだ萩尾望都さんの他の作品は「半神」や「偽王」と短編が中心ですが、そちらも登場人物の心情が丁寧に描かれた作品でした。
それらも名作ですので、興味のある方はどうぞ。
(いつか「残酷な神が支配する」も読んでみたいです)
追伸
「ポーの一族」は1975年度小学館漫画賞受賞作品だそうです。
文庫本最終巻にその時の慌ただしい様子がエッセイマンガで描かれています。
萩尾望都さんの仕事場に手塚先生が電話をかけられて、何もしらないアシスタントさんが電話に出てびっくりされたとか。
投稿者 singer-cat : 2008年05月14日 23:55