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2009年10月08日

ボツ文章に思う事.10.08

先日購入した「手塚治虫 原画の秘密」(手塚プロダクション編 新潮社刊)ですが、興味深い記事が掲載されていました。

初期作品7話までのラストを飾ったクロージング・ナレーション(「ブラックジャック その素性も本名も不明である…」のあの文章)ですが、その文章も最初に考えられていた文章とは微妙に違うらしいです。

私たちが読めるクロージング・ナレーションは

「ブラックジャック
その素性も本名も不明である
だがその天才的な手術の腕は悪魔的とさえ言われている
この謎の医者は今日もどこかでメスをもち 奇跡を生んでいるはずである…」

ですが、没になった原稿では別の文章も考えられていたらしいです。

「ブラックジャック
その素性も本名もわからない
金の亡者なのか 正義の権化なのか
かれの心の中はだれも知らない
多くの敵と信奉者をもちながら
かれはもくもくと 今日もメスをふるう…」
(「」内の文章は「原画の秘密」P53より抜粋)

単行本などに掲載されている正規のナレーションを読み慣れているせいかもしれませんが、没になった文章を読むとちょっと違和感がありますね。

黒男さん自身、「金の亡者」と言われても否定はしないだろうけど、「正義の権化」と言われたら

「正義か そんなもんはこの世の中にありはしない」(「約束」より)

と言っちゃうような人だし。
(でも天使と言われたこともあったっけね)
むしろ
「我こそに正義あり!」
と力説するのはおぼっちゃまだろう。辰巳テンテーは…
「正義かぁ…僕も目指せたらいいな、って考えるよ」
と、諦観とほんのすこしの希望が入っているかもしれません。
(キリコは黒男さんの考えに近い?)

そして没になったナレーション中の「信奉者」という言葉を
「信奉者という名のファンですね! つか、追っかけ?
ブリ様はもちろん、おぼっちゃまもアンチの皮かぶったファンにしか見えません黒男さん!」
と変換する腐女子でした。

投稿者 singer-cat : 2009年10月08日 23:55

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