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2006年12月18日
「ローマ人の物語」感想の終焉
今回は塩野七生さんの「ローマ人の物語」の感想ですので、興味のある方だけどうぞ。
15年続いたシリーズ最終巻。今回のテーマはタイトルにもあるように、帝国、それとある時代の終焉。
建国初期あたりは、外敵に攻められても内戦が続いてもそれでも問題を解決していく鮮やかな手際にわくわくしながらページを進めたのですが、滅亡のかげりが見え始めた時代になると、良策と思って実行した事が裏目に出てくる過程が書かれていています。
「なぜ衰亡したか、という研究はいずれも正しい。この最後の五巻では『なぜ』よりも、『どのように』衰亡していったのか、に重点をおいて書くことにする」
帯に書かれた言葉通り、ローマという帝国が滅びていく様が書かれているのですが、それは華々しい滅亡、というのではなく、静かにひっそりと滅んでいます。
(当時に生きる人たちからすれば、苦しんだ末の滅亡なのですが)
この巻で扱った時代のあとは中世に入るのですが、白石はその時代あたりは何も知りません。今度何か読んでみましょうか。
(やや場所が離れますが、塩野さんの著作でヴェネツィアが舞台の「海の都の物語」もおもしろかったです。あと中世の歴代ローマ法王伝記の「神の代理人」もおすすめ)
投稿者 singer-cat : 2006年12月18日 23:55