« 雑記09.24 | メイン | 今までありがとうございました »
2006年09月26日
拍手返信と短文
拍手返信
神無月様
拍手ありがとうございます〜(毎度返信が遅くて本っ当に申し訳ありません〜)
関東在住の白石は関西方面に疎いのですが、手塚先生がらみで宝塚出身でも楽しいかもしれませんね!
(幼少時、お母様に連れられて宝塚観劇をする黒男さんとか…)
不発弾に関して言えば、日本全国にわりとあるらしいので(手塚同人にも不発弾が近所で見つかって自衛隊が出動してリアル黒男!とトークに書かれた作家さんもいらっしゃいますし)、関西の不発弾処理班の人たちがきちんと仕事されている、と考える事にします。
ところで関西人の方って関東人と話す時はそうでもないけれど、関西人の方同士で会話されると関西弁全開! ですので、「がめつい同士」で、もし黒男さんが合羽さんと長時間行動を共にしたら、関西弁全開で会話する二人が見られたかも…?と、ちょっと怖い考えになってしまいました。
(関西の方で気を悪くされたら申し訳ありません)
あるいは高村薫ちっくに、疲れていたりするとふと関西弁が出て、辰巳テンテーあたりに
「…あ、関西弁になっている」
「…疲れているんやろ…」
「でも君の関西弁は好きだ」
などとやってくれたらいいなぁ、などと妄想しております。
その他拍手くださった方、本当にありがとうございました!
ところで「アリの足」の事をつらつらと考えていたら、
「黒男さんのときって、どうだったんでしょうね」
などと考えてしまい、短いですが文章を書いてみました。
お暇な方はどうぞ。
(「小説コーナー」に移すかどうか微妙な長さっす…)
アリの道
道は遠くまで続いていた。
視線を行く先に向けると、夜の闇の中で灯るライトがゆるやかに坂を下るのが見える。遠くには街の灯り。これまで歩いてきた道を振り返ると、道はすでに山の夜の闇に飲まれている。
日が落ちる前に街に着くのは、やはり無理だったようだ。
黒男は道の脇に生えている大木の根本に座り込んだ。まだ思うとおりに動かせない身体は、一日歩き通した疲労に悲鳴をあげた。
(…前にここを通ったときは、車であっという間に通り過ぎたから…歩くとこんなに時間がかかるとは思わなかったな…)
大きな木にもたれかかった黒男は、目を閉じて以前ここを通った時のことを思い出していた。
父親の運転する車に乗り、家族で祖母の家まで遊びに行った。郊外の瀟洒な家に住む祖母はいつでも黒男達を優しく出迎えてくれ、祖母の家を去るときはまた来るからね、という言葉を黒男は何度も口にした。祖母も父親も母親も、いつも黒男のその言葉を笑って聞いていた。
その祖母も、すでに亡い。父親も、母親も、もう黒男のそばにはいない。
「………………」
黒男は視線を空へと向けた。黒男の住む街では見られない見事な星空がかすかにぼやける。
祖母の家に遊びに行っていた頃からそれほど年月は経っていないのに、その間にどれだけのものが彼から失われただろう。
夏とはいえど、肌寒い山の夜の寒さに身体を震わせた黒男は、自分で自分の肩を抱きしめた。そのとき胸ポケットの中から、紙のこすれあう音が聞こえた。
(…本間先生が渡してくれた…連絡先…)
行く先々でもし何かあった場合、この人たちに連絡すればなんとかしてくれるように頼んでおくから、と言って本間医師は連絡先のメモを黒男に渡した。おそらくいまこの時間でも、本間自身も黒男からの連絡があればすぐに動けるようにしてあるだろう。
あの日から多くのものが自分から失われたけれど。
黒男は軽く自分の頬に---色の違う肌に覆われた頬に触れた。自分の命がある限り決して失われない温かさが伝わってくる。
それでも自分のそばに留まるものも、確かにあるのだから。
「…僕…必ずこのハイキングを歩き通すから…必ず……身体を動かせるようになるから…」
まだ身体の不自由な少年のつぶやきを聞く者は誰もいない。
しかし星空を見上げる彼の目は、もう滲んではいなかった。
後書き。
お母さん、需要って一体なんでしょうねぇ…、な短文です。
ところでアニメコミックの「アリの足」を見直してみたら、黒男タンはかさばるシェラフを持ってハイキングに行っているのに、背負っているのは小さなナップザック。
…黒男さん、その収容術を是非教えてくれ!!!!!
(シェラフ持参のハイキングをされた事のある方なら分かると思いますが…白石のときはでかいザックに入れてようやく入りきりましたよ…)
投稿者 singer-cat : 2006年09月26日 23:55